先日、ユナイテッド航空でオーバーブッキングが発生して、座席数が足りなくなってしまい、客を力づくで強制的に降機させた際の一部始終が撮影された映像がyoutubeで公開され、かなりの批判を浴びていました。
今回の件は、厳密に言うとオーバーブッキングではなく、急きょ4人のユナイテッド航空の乗務員を別の空港へ送る必要があり、座席が満席だったので、800ドルで降りてくれる人を探したものの誰もいなかったため、4人のお客さんに事情を説明して降りてもらった・・・ということのようです。
選ばれた4人の中の1人の方が、頑なに降りることを拒んだため、強制的に降機させられてしまった・・・とのことのようです。
実は私もユナイテッド航空にて実際に似たようなシーンを見たことがあります。
実際にそういった場面に遭遇してしまった場合、どうするか・・・などを書いていきたいと思います。
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オーバーブッキングって?
飛行機やホテルの予約などでたまに聞くオーバーブッキングですが、どういうことなのか簡単に説明します。
飛行機の場合、予約が入っていても、当日キャンセルしたり便を変更したりする人がいるため、座席数よりも多くの予約を受け付けている場合があります。
実際、出張が多いサラリーマンの方などは、例えばANAのビジネスリピートのような会社が発券する航空券を使う場合は、当日のキャンセルが無料だったりするので、何時に帰るか分からない場合などは、とりあえず最終便を予約しておいて予定に合わせて便を変更したり、あるいは複数の航空会社の便を予約しておいて、当日の予定に合わせて当日の出発直前にどちらかをキャンセルする・・・みたいな使い方をする人が必ずいます。
この行為自体は、そもそもビジネスリピートという企業向けの運賃であることなどから、航空会社も認めている使い方かと思います。
※ビジネスリピートの運賃は、ほぼほぼ普通運賃と同額です。
航空会社側もなるべく空席を作った状態で飛ばしたくないため、蓄積された過去の実績やデータから、例えば福岡-羽田のこの時期のこの時間の便であれば、だいたいどれくらいの直前キャンセルが出るか・・・というのを予想した上で、座席数以上の予約を受け付けます。
そうすると、ごく稀に予想に反して直前キャンセルが思ったより出ず、結果として座席数以上の人がチェックインしてしまう・・・という事態が発生します。
これがオーバーブッキングです。
仮にそうなった場合は、協力してくれる人にお金やマイルを払って次の便以降に振り替えてくれる人を募集します。
ANAの場合は、以下のような対応をします。
(JALも同じ内容となっています。)
フレックストラベラー制度とは?
ご予約をお持ちのお客様の数が座席数を上回り、座席が不足した場合、当該便を予約済みのお客様の中から、ANAが提示する協力金額および代替交通手段に同意され、自主的に便の変更等についてご了承いただける方を募り、ご協力いただいたお客様に対して、協力金のお支払いおよび代替交通手段の提供を行う制度です。
代替交通手段振替日* 協力金または AMCフレックスパートナー協力マイル 当日 10,000円または7,500マイル 翌日以降 20,000円または15,000マイル
要は、「次の便に振り替えていただけたら1万円か、7,500マイル払います!誰か希望者協力していただける方はいませんか?」となるわけです。
仮に振替便が翌日の便だった場合は、上記に加えてホテル代とホテルまでの交通費も払ってもらえます。
お金やマイルを払って協力者を募ることで無理矢理空席を作ってしまうわけです。
そもそもで直前キャンセルする人の多くは、普通運賃やビジネスリピートなどの割引の無い運賃の人であるため、航空会社側の立場で考えると、例えば予約を取りすぎて結果的に3人に1万円ずつ払うことになったとしても、2席空席を作ってしまうよりはマシだ・・・となります。
なのでなるべくギリギリのラインを狙って予約を取るわけです。
ちなみに日本の場合だと、協力者が現れず、オーバーブッキングが解消されないということはほとんどないそうですが、仮に協力者が現れなかった場合は、呼び出されて個別にごにょごにょ相談されることもあるようです。
また国際線の場合は、エコノミークラスがオーバーブッキングの場合はビジネスクラスにアップグレードしてもらえたり、そもそも座席が足りない場合は、チェックイン時に個別にごにょごにょ相談されたり・・・となるようです。
強制降機みたいなことは日本であり得るのか
オーバーブッキングの場合だと、少なくとも飛行機に乗る前には分かりますので、今回のような、一旦席に座ったのに降ろされるということは、まずありえないでしょう。
仮に飛行機に乗った後であったとしても、実際乗ってみたらオーバーブッキングだから誰かを強制降機させる・・・という権利は、日本の航空会社は持ってない(約款に明記はされていない)そうなので、無理矢理降ろされるということは無いと思います。
もしそのような事態になったとしても、あくまでも自主的に降りてもらえる人を探すということになるのだと思います。
ただし、日本でも海外の航空会社の場合だと、それぞれの航空会社の規則が適用されますので、「オーバーブッキングに対しては航空会社側が誰かを搭乗拒否にしたり、強制降機させることができる」と約款に明記されているような航空会社を利用する際は、もしかしたら日本でも同じシーンに遭遇することがあるかもしれませんね。
実際にユナイテッド航空でそういうシーンを目撃しました
このニュースを見て思い出したのが、過去のユナイテッド航空利用時のことでした。
サイパンからグアムへ飛行機で移動したのですが、その便は経由便で、途中でロタという、サイパンとグアムの間にある島を経由してからグアムに行く便でした。
ロタに着いたあと、ロタから乗ってきた人たち全員が着席したのに一向に飛ぶ気配がありません。
CAさんが1人しかいない小さな飛行機だったのですが、飛ばない理由を聞くとなんとオーバーウェイト(重量オーバー)で飛べないとのことだったのです。
「どうするの?」と聞くと、「誰か降りてもらえる人を探している最中だ」とのことで、ユナイテッド航空の空港職員が乗り込んできて誰かと交渉したみたいです。
その時は力づくで強制排除したわけではなかったのですが、かれこれ2時間近くやり取りして、かなり不服そうに降りて行った人がいましたので、今思うと「こっちは降ろす権利があるんだから降りてもらうしかない」みたいなことを言っていたのかな?と思います。
それだったら自分が800ドルもらってロタで1泊してもよかったかなーと、当時を思い出してちょっと思っちゃいました。
グアムで乗り継ぐ予定だったのに遅れたせいで乗り継げない!と怒っている日本人もいたのですが、グアムでホテル代くらいは出たのかな~とちょっと気になるところですが、仮に自分がそうなったと思うと、現地でユナイテッド航空の職員と交渉しなければならないというだけでもう憂鬱になりますね。
逆に協力者になりたい場合は?
1万円か7,500マイル貰えるなら是非とも次の便に振り替えてもらいたい!という人もいらっしゃると思います。
次の便が何時間も後なら嫌だけど、例えば1時間後の便だったらいいよって人だったら、結構いるんじゃないでしょうか。
オーバーブッキングの可能性がある便は、当日、自分の乗る便が空席×の表示の場合です。
協力者の応募は早い者順のため、もし協力者になって7,500マイルor1万円をゲットしたい場合は、当日の空席が×であるかどうかを確認した上で、早めに空港に行って空港職員に聞いてみましょう。
早く行き過ぎるとまだオーバーブッキングかどうか分からないのですが、可能性があるかどうかは教えてもらえます。
早めに保安検査を通り、搭乗口付近で待機しておきましょう。
そして、協力者募集のアナウンスがあれば、いち早く、近くの地上係員に申し出ましょう。
他の人の出方を伺ったりしていて申し出が遅れてしまうと、あっという間に募集終了になることもあります。
まとめ
今回のユナイテッド航空の対応としては、ユナイテッド航空の運航約款に明記されているため法的にはOKだったのでしょうが、客側から見るとバッシングが起きてもしょうがないくらいのひどい対応だったと思います。
仮に自分が海外航空会社利用時にそうなってしまったら、おとなしくあきらめるしか手は無いのかなと思います。
一方で、日本の国内線の場合でも、オーバーブッキング自体はあり得ますが、ほとんどの場合で謝礼金目的(?)の協力者が現れるため、問題にはならないようです。
以上、ユナイテッド航空のオーバーブッキングの対応について 実際の体験を交えて思うこと 日本の場合はどうなる?でした!
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